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どうせなら笑って過ごそうよ!

闘う杏子さんのお話 日常の中の笑いの数々 笑って過ごしても泣いて過ごしても同じ一生。それなら笑って過ごしたい!

お久しぶり!エピ65ぐらい – 計算高いバタフライ

杏子はたまに思う。
自分は動物にたとえるならカタツムリだな。
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動物と言いながら、カタツムリが浮かぶこともすごい。

ゆっくりと着実に進むことしかできない。
何度も何度も確認しながらだ。
そして、とても傷つきやすいの。
少しでも攻撃されそうになると
つのがシューッと短くなって殻に隠れたくなる。
それでも前には進んでいる。
ある時、自分がずっと先まで進んでいると実感する。
脱カタツムリしたいけど、パパッとできる女を目指したいけど、
これが自分のヒューマンネイチャーってやつなんだろうと
思うことにしている。

所詮、杏子は蝶々にはなれないと思うのだった。

蝶々ってやつは実に自由にのびのび、ひらひら飛び回る。
あっちに行ったり、こっちに来たり。
見た目も華やかで、すきなところにばかり行く。
確か、そんな女が杏子の近くにいた。
香奈ちゃんだ。
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香奈ちゃんはきれいな花にしか眼中にない。
そして誰もが自分に注目しないと気に入らない。
きれいな花というのは正しくないかもしれない。
どちらかと言えば、背の高い、周りを見下ろすような花だ。
要するに、見た目のいい男より、地位や権力のある
男が大好きなのだ。
したがって、基本的におじさま好きだ。
香奈ちゃんにとって、世の女は全員ライバルなんだろう。
女友達なんて絶対いないと分かる。
実際、会社の上顧客にはとてもうまく取り入るようで
時々食事に誘われて行ったりしてるらしい。
かおりさんや沙羅ちゃんがそう言っていた。

杏子は自分に害がなければ、そんな香奈ちゃんの主義は全然
構わないのだが、悲しいかなそうもいかず時々被害を被っていた。

カタツムリは逃げ足も遅い。
要領も悪い。
時々、不可抗力もある。

とある会社のお偉いさんから電話がカウンターにかかってきた。
ソラリア航空にとってはとても大切な顧客だ。
香奈ちゃんが応答した。
どっかのクラブのママみたいな応対でしばらく話していたが、相手は
実はタンさんに用事があったようだった。
杏子に内線がかかってきた。
杏子がその内線を取ると、すごく不機嫌な声で電話を回してきた。
さっきの声からは2オクターブも低いんじゃないかと思うほどだ。

私なにか悪いことしましたか?
杏子は心の中で叫んだりした。

香奈ちゃんの最近のご執心は、江戸テレビの報道関係のお偉いさん、
徳川部長だ。
タンさんが参加したゴルフコンペに参加していたそうで、その時に
親しくなってから時々食事に行ったりしていたようだ。
タンさんは徳川部長に会う度、ソラリアがいかに素晴らしい所かを吹き込んでいたらしい。
気に入ってもらえれば、テレビの夕方のニュースの注目コーナーで
特集してもらえるかもしれない。
案の定、徳川部長は行ったことのないソラリアに興味を持ってくれた。
タンさんの営業努力で、ついに徳川部長は奥様とソラリアに旅行に行くことになった。
タンさんは本社にかけあって航空券を無償で提供することにした。
特別宣伝費として処理するそうだ。
ホテルもタンさんが懇意にしていたホテルの支配人に交渉して無料宿泊券を出してもらった。
テレビで少しでも取り上げてもらえれば、十分に元が取れる。
そうタンさんは判断したのだ。
おそらくそんな話が徳川部長との間ですでにあったのではないだろうかと思われた。
チケット手配の関係で予約カウンターの誰かが徳川さんに連絡を取る必要があった。
生憎、かおりさんはちょうど別件で忙しかった。
そして、その仕事は香奈ちゃんへと流れた。
お腹空かした池の鯉に餌を投げるようなものだった。
香奈ちゃんの営業努力は素晴らしいものだった。
ほんとうにどこかのクラブのママのようだ。
それはそれは無駄に電話で連絡していたらしい。
いつの間にやら、徳川部長に食事に連れて行ったもらったとかおりさんから聞いた。
ほんとに夜の世界で働いたらナンバーワンになれるんじゃないかと杏子は思った。

徳永さんが旅行から帰り、お土産を持ってソラリア航空のオフィスにやって来た。
もちろん、タンさんにお礼を言うためだった。
来客にお茶を出すのは杏子の役目だった。
ところが、間の悪いことにちょうど杏子に電話が入った。
簡単な話ではなく、長引いてしまった。
杏子はタンさんと徳川部長にお茶ぐらいさっさと出したかったが
電話がなかなか終わらない。

そうこうしている間に、あろうことかちゃっかりコーヒーをお盆にのせて
いそいそとタンさんの部屋に入っていく香奈ちゃんが視界に入った。
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あり得ない!
自分の持ち場を離れてまでやることか!

タンさんもさぞかし面食らっただろう。
きっと、なんでお前が!と思ったはずだ。
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でも、杏子はその一連の流れを横目で見るしかなかった。

タンさんは仕方がないから、自分が徳川部長からもらったお土産を
お土産を香奈ちゃんに渡した。
香奈ちゃんのサンキューという大きな声が電話中の杏子にまで聞こえてきた。
音符が付いてそうなウキウキしたこえだった。
かくしてバタフライ香奈は徳永さんにマーキングした。
だが、香奈ちゃんという女は自分が一番に扱われないと、そして
自分が責められたりすると、一気に蛾に変わる女でもあった。
しかも毒を持った蛾だ。

まだ、徳川さんはそれを知らなかった。
そして杏子も自分がそのあおりを食うとは夢に思っていなかった。

カタツムリは進むのが遅いから捕まるのは簡単なの。

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